ロフォーテン諸島に行ってからこっちの田舎に戻ってくると映る景色全てが見劣りしちゃう病に罹患したので暫くLandscape Photographyはお休み。代わりにというかだるい日常の景色をスナップする回数が増えてきたのだけど、そうなると持ち出すのはa7rIIでもa7sIIでも無く結局は10年も前のスペックも低いLeicaのM8。ちょっと暗くなると撮れないしすぐ白飛びするし喧しいシャッター音で不自由な事も多いのだけれどハイスピードのレンズと合わさると空気中の澱というか匂いというか、形容し難いのだけれどもとにかくその場の気分まで映り込むような写真が撮れる時があって、好奇心と見栄で型落ちのブランドを買うという甚だ邪な動機で買った物としてはこれ以上無いぐらいに気に入っている。光の織りなす素晴らしい時間帯ならその透明感も美しいグラデーションも、そうでないどんよりとした曇り空ならそのふさぎ込むような鈍い重苦しさもどちらも伝えてくれるので、主に後者の鬱屈とした景色を感じることの多い現状そんな気分を写真に出せたらと思ってM8の煩いシャッターをバチコーンと切っている。だるい景色がただ単にだるく映るだけじゃなくその先の、もうひとつ上の感情を抱かせるような写真が撮れると良いのだけど。






スナップで何でも開放にしたがるのは加減を知らないからと自己分析してたけど、僕は裸眼だと凄まじい近視なのでこのボケボケの世界の方が自分にとっては自然で心地よいという側面もありそう。隅々まで解像した写真はそれはそれで好きだけれど生理には合ってない気もする。

目下の悩みは昼間でも開放にする為のHeliopan Variable NDフィルターにキャップが付かないこと。なんとかならんかね。

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Leica M8